内科・循環器内科・腎臓内科・人工透析内科・リウマチ科

血液の循環に関わる心臓・血管・血圧の異常を扱うのが循環器内科です。 “心臓病”の中にも様々な疾患・病態があり、不整脈、虚血心（狭心症・心筋梗塞）、心筋症、心臓弁膜症、心不全などが含まれます。不整脈には頻脈性不整脈と徐脈性不整脈があり頻脈性は薬物治療やカテーテル焼灼術の対象に、徐脈性はペースメーカー治療の対象になることがあります。頻脈性不整脈の中で心房細動に起因する脳塞栓症は要注意です。又、心筋症や虚血心に合併した心室性不整脈は致死的になる場合もあり精査や厳重フォローを要し、発作時血圧低下や失神に至る例では植え込み型除細動器の適応になることもあります。心筋症や弁膜症に起因する心不全に対しては細やかな薬物調節が必要であると同時に手術適応の決定も重要になってきます。“血管”に関しましては臨床的に頸動脈・冠動脈・腎動脈・前腕シャント・下肢動脈（腸骨動脈〜大腿動脈）の狭窄が問題になり、お困りの症状によって必要な検査を行い治療方針を立てます。“高血圧症”は動脈硬化（血管が徐々に硬く狭くなる）や血管プラーク不安定化（血管が急に詰まる）の危険因子であると同時に腎不全・心不全の増悪因子でもあるため適正にコントロールをしていく必要があります。学校検診で心雑音や心電図異常を指摘された小中学生の方には、胸部X線・心電図・心エコーを実施し先天性心疾患・不整脈などの診断を行い治療や運動制限の要否を決定します。心臓・血管・血圧などで気になることがありましたらお気軽にご相談下さい。

腎臓の病気と言えば、その病因から急性・慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、膠原病に伴う腎症、多発性嚢胞腎、腎盂腎炎などの病名で理解することが多かったと思います。しかし、ここ最近は慢性に経過するすべての腎臓病を指して慢性腎臓病（CKD）として考えるようになっております。慢性腎臓病の患者様は、日本中で1300万人（20歳以上の成人の8人に1人）いると言われています。メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧などの生活習慣病との関連も深く、誰もがかかる可能性のある病気です。初期には自覚症状が殆どなく、あるレベルまで腎臓が悪くなってしまうと治ることはありません。放っておくと、どんどん進行して慢性腎不全となり透析療法が必要になる場合もあります。慢性腎臓病が進行すると、夜間尿、むくみ、貧血、倦怠感、息切れなどの症状が現れてきます。このような症状が出る前に、蛋白尿・血液検査（クレアチニン測定）などで出来る限り早期に発見し、患者様の病因・病状に応じた適切な治療をすることで腎機能の悪化を抑制することが重要です。

透析療法は当初の延命治療の時代から合併症対策、ひいては合併症を起こさない工夫が主眼の時代になってきました。さくらの馬場クリニックは不純物を限りなく取り除いた水（ウルトラピュアな透析液）を用いた透析を実施しています。透析患者様の身体状況を表す病態としてMIA症候群があります。M：malnutrition（低栄養状態）I：inflammation（慢性炎症状態）A：atherosclerosis（動脈硬化）の３つが合わさった病態です。簡単に言うと、栄養不足で透析液からエンドトキシンをはじめとする炎症惹起物質が体に慢性炎症がおこし、痩せ・体調不良のみならずやがては動脈硬化が進展し四肢の動脈閉塞症・心筋梗塞・脳梗塞などの発症につながるという事です。それにはウルトラピュアな透析液で炎症を予防し、許される限りの栄養を取って頂き、そして運動（腎臓リハビリ）をして頂く事が重要と考えています。 また、患者や様のライフスタイルに合わせて、施設での通院血液透析・在宅での腹膜透析（ＣＡＰＤ）・家庭血液透析・腎移植後の管理などの全ての腎代替療法に対応できるようにしております。

膠原病とは、本来なら異物から身体を守るはずの免疫システムが正常に働かず自分の身体を攻撃する自己抗体を作る事で、全身の複数の臓器に炎症が起こり、関節・皮膚・肺・腎などの臓器の機能障害をもたらす一連の疾患群の総称です。最も代表的な膠原病である関節リウマチは関節周囲の滑膜が侵される疾患で、症状として多関節炎を認めます。全身性エリテマトーデスは顔面頬部紅斑・日光過敏症の皮膚症状、血球減少症・腎炎とう様々な症状を認めます。全身性硬化症（強皮症）・皮膚筋炎・多発性筋炎は皮膚症状・筋肉の症状を主として認め、間質性肺炎等の臓器障害を認めることもあります。結節性多発動脈炎は全身の血管に炎症を起こし多臓器の機能障害を認める極めて重篤な疾病です。 その他、シェーグレン症候群・ベーチェット病等の膠原病類縁疾患が10数種類あります。以前は難病とされていましたが、現在は、いずれの疾患も的確な診断・治療がなされれば良好なコントロール出来るようになってきています。